おしゃれで舞台鑑賞などの趣味を持っていた藤澤武夫さん。
私の周りで第1氣質に四角水色を持っている人は、穏やかで静かに物事をじっくり考えて行動する人。自分の空想の世界に入っている時に見せる笑顔は天下一品。というイメージなので、藤澤さんもその様な印象を持っていましたが、違うエピソードもある様です。
- 洒落た紳士的な雰囲気の一方で、仕事に対して厳しく部下の不手際を叱る際は容赦なく厳しい言葉を浴びせた。大きな目と半開きぎみの口から次々と大きな声で怒鳴る仕草から当時流行っていた怪獣映画になぞらえ「ゴジラ」とも陰で呼ばれていた。(Wikipedia藤澤武夫より引用https://ja.wikipedia.org/wiki/藤澤武夫)
容赦なく厳しい言葉を浴びせて部下を叱る姿は上記の印象とは全く異なります。
これは部下の立場からすると、怖い上司に映った事でしょう。しかしながら付いたあだ名が「ゴジラ」とは、少しばかり愛情を感じます。部下にとって怖いけれどもどこか憎めない愛嬌のある存在だったのかもしれません。
氣質学的見方で見ると、藤澤さんは第2に四角ピンクをお持ちです。
四角ピンクは
多くの可能性を秘めたオリジナル人生の追求がテーマの人です。また、第2氣質は「対人関係の氣質」ですので社員に見せる気質は四角ピンクであったと思います。職場での藤澤さんはホンダの経営者として常に会社の未来を考えていたはずです。四角ピンクはアイデアマンですから未来のホンダはこうあるべきという姿をしっかり思い描いていたに違いありません。
一方、四角ピンクの人は言葉足らずな所もあるので、ビジョンを部下に伝える時に言葉で伝わりきらず、言葉より先に態度に出てしまう事は想像出来ます。その結果厳しい態度になる事があったのかもしれません。
ホンダの将来を見据えていた藤澤さんは、少しでも氣になる芽が見えたらその時点で即対応したはずです。大きく成長する真っ只中の企業ですから、甘い氣持ちは抜きで手荒な事をしてでもビジョンを伝えたのだと思います。
この様に藤澤さんには持って生まれた氣質らしいエピソードがありますが、人の性格や価値観、行動は氣質学だけで語れるものではなく、もっと複雑です。
生まれ育った家庭の教育方針、両親の価値観、長男として生まれた事、戦争を経験した事、本田宗一郎さんと巡り合った事など様々な経験とそこから生まれた考え、価値観。それら全てが藤澤さんを作っています。
氣質学でわかるのは、その人が持って生まれた氣質。いわば、氣質の種です。
私はセミナーの時に使うスライドにひまわりの花の画像を入れる事が多いのですが、それはひまわりの種も何処で育てるかによって咲かせる花の大きさや背丈が変わる事から、人もひまわりと同じく、与えられた環境によって変わってくるもので同じ定規では計れないという事を伝えたいからなのです。同じ種でも植えられた土の状態、氣候、養分など条件の違いで咲く花の大きさや数は変わってきます。どれが良いかと比べるものではなく、それぞれ与えられた環境で咲かせた花を愛でる氣持ちが大切です。
人も同じです。まずは自分を認める事。同じ様に他者を認める事。それができると人間関係のストレスは格段に減ります。わかっていても、なかなか出来ないのがこの「認める事」です。それを誰でもわかり易い形で助けてくれるのが氣質学なのです。
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