最近海外ドラマSUITSにハマっています。ニューヨーク・マンハッタンに事務所を構える大手法律事務所が舞台で、敏腕弁護士ハーヴィーとその部下マイクが主人公です。話す英語がとても洒落ているので、私もこんなセリフいつか言ってみたいを思って決め台詞を覚えています。
マイクはちょっと訳ありな過去があり、それがバレるとマイクだけではなくハーヴィーもクビになりかねないのですが、マイクの人並み外れた才能を買ってビシビシと鍛えるハーヴィーがとてもクールで、時にはハーヴィーの裏をかくマイクの頭の回転の速さにワクワクしてしまいます。
まぁドラマなので突っ込みを入れたくなる現実にはあり得ない設定もありますが、そこを差し引いても余りある痛快な話の展開がこのSUITSにハマってしまう大きな理由なのではないかと思います。
ハーヴィーは優しい言葉は一切かけないとてもクールな人です。仕事に厳しく言葉もキツイ。当然マイクとは時々口論になりますがそれでも決定的に仲が割れてしまうことはなく、それどころか互いの目に見えない信頼関係を感じます。一見嫌われる要素満載なのですが、マイクをはじめとする職場の同僚からはとても信頼されているハーヴィー。なぜか嫌われないその理由は、厳しい言葉の根っこには必ず相手への愛があるからではないかと思っています。マイクに厳しくあたる時や秘書のドナと口論する時の言葉はとても強いですが最後は必ず良い方向に問題が解決しています。また法律事務所にルイスというライバルがいるのですが、ハーヴィーは年中ルイスに嫌味を言ってからかいます。でもその嫌味に笑ってしまうのです。ユーモアがあるからです。
厳しくキツイイメージだからこそ、時々ちらりと見える思いやりや優しい心が魅力的に見えるのでしょうね。
SUITSを見ていると人が他人を信頼する条件が見えてきます。
信頼とは抽象的概念のように取られがちですが、実は具体的要素の積み重ねで出来ています。具体的要素は再現性があるので、信頼とはハーバード卒の敏腕弁護士ハーヴィーしか得られないものではなく誰でも得る事が出来るのです。面白い事に一見犬猿の仲に見えるハーヴィーとルイスの間にさえ信頼関係はあります。
信頼を得るために必要な要素とは
1、相手への愛情
2、仕事の結果
の二つに分けられます。
1の愛情とは、相手の成功、成長、幸せを願って何をしてあげられるか興味を示す事と言い換えると解りやすいかもしれません。口から出る言葉がキツイか優しいかは関係なく、言葉の奥にある真意に愛情があるかどうかが大切です。ハーヴィーはマイクにキツイ言葉で駄目出しをしますがそこにはいつも愛情があります。
同じ様にマイクにもハーヴィーへの愛情を感じます。訳ありの身でありながらそれに目をつぶって雇ってくれたハーヴィーの役に立ちたい、認められたいという気持ちが溢れています。
信頼関係を作る愛情は双方向なのです。一方的でなく互いに相手への愛情があるから信頼が生まれるのです。
2の仕事の結果は1の愛情と密接につながっています。
上司ハーヴィーはマイクに甘えを許さずいつも高いハードルばかり越えさせようとします。マイクはそれを越えられる時もあれば失敗する時もありますが、ハーヴィーはどちらの結果でもフォローが出来る様に常に先を読んでいます。一度失敗しても次の手をマイクが自分で考えられる様に上手くアドバイスをしています。時には自らに同行させて学ばせます。どんな時もマイクに対する愛情を感じます。マイクの成長、成功、幸せを考えて関心を寄せている事が伺えます。
同じ様にマイクも単に頼まれた仕事だけこなすではなく、どうしてこの仕事をする必要があるのか考えて先を読もうとします。ドラマのあちこちで「ハーヴィーならどう考えるか?」というセリフが出てくるのですが、ハーヴィーが指示する事を先回りしてやってのけて感心されます。同僚に「ハーヴィーそっくり」と言われニヤリと笑う顔が得意げです。
ハーヴィーの専属秘書ドナも同じです。付き合いが長いのでハーヴィーの表情を見ただけでどうしたら良いのか分かるほど以心伝心の仲です。このくらい信頼関係が強くなると安心して仕事が任せられます。
SUITSから分かるのは、信頼されたければまず相手に愛情を注ぐ事だという事です。成長、成功、幸せを願って相手に接する事です。態度や言葉に愛情があるかないかは誰でも感じ取れる事ですから、そこに愛情が有ると感じれば相手はそれに応えようとしますし、感じられなければ信頼は得られないのです。
SUITS。シーズン4に突入してますます面白くなってきました。アマゾンプライムビデオだと、プライム会員は無料で全話見放題です^^