女性管理職を増やす上での課題
先日の新聞で、
政府目標の「女性の管理職(課長職相当以上)比率を30%程度まで引き上げる」という目標に達成可能と答えた企業(各業界大手120社のうち)が11パーセントに留まる
(読売新聞2016年3月21日より)
という記事を読みました。
その記事で、達成が難しい、出来ないと答えた企業がその理由として上げる最多は
女性の採用が少なく候補者が乏しい 71%
がダントツで、そもそも管理職候補になる女性が少ないから採用したくても出来ないという企業の言い分が見えました。
けれども、アンケートの対象企業の多くがおそらく上場企業です。総従業員数も多く、たとえ比率的に女性の割合が少ない業界でも管理職候補者が乏しいというほど人数が少ない事はないのでは?と感じました。
実際は、表面に出てこない最大の理由は、女性社員が管理職になりたいと思う環境が無い事なのではないかと私の少ない体感値で思いました。
管理職?大変なだけ。やりたくない。
そう思っている女性が多いのでは?と考えます。
管理職になると、当然要求される責任は広く重くなります。それまで一人のプレイヤーとして仕事をこなしていれば良かった立場から部署全体の責任を担う立場になるのですから、要求される仕事の成果は自分一人で作り出せるものではありません。部署全体の動きを把握して適切な仕事のコントロールが必要で、部下と上司の間でうまくコミュニケーションを取り、調整できる能力が必要になります。
ところが、今の男性を中心とした企業環境だと立場的に孤独に陥りやすく、そんな苦しい道をわざわざ選ぶ女性はあまりいません。
一方で興味深い話しを聞きました。
先日、プロジェクトマネージャーをやっている友人が言っていた事なのですが、彼曰く、
「色々な企業の仕事をするけれど、女性がマネジメントしてくれている会社の仕事は不思議とすごくやりやすいんだよね」と。
それは多分、女性は男性よりも人の感情の細かい動きに氣が着くし、それをマメにフォローしてくれて、プロジェクトがうまく回るように根回ししてくれているのではないかとその友人は分析していました。
この話しにはすごく納得出来ました。
女性は良くも悪くも感情豊かで感情を優先して動きます。又、自分だけでなく他人の感情にも敏感に氣が付きます。感情的と言うとあまり良いイメージはありませんが、良い方向に活かせば会社全体の雰囲気も良くなり、仕事の結果も良くなります。その結果として女性管理職を望む人も増えるのではないかと思います。
女性管理職を増やすために必要な事
女性のコミュニケーション能力の高さを上手く引き出せるように社内環境を整える事がこれから女性管理職を増やすために必要なのではないでしょうか?
管理職は大変だからやりたくないと思っている女性が、
やってみたらやりがいがあって楽しい。と言ってくれる環境を作るにはどのように社内環境を整えればいいのでしょうか?
女性管理職の前例がない会社であれば、男性社会にいきなり女性を一人で放り込むような格好にならない様に、管理職候補者用の教育システムを整え管理のやり方を覚えてもらう事が一歩です。
そして、管理職経験者に付いて管理職見習い的な期間をつくり徐々に仕事を身につけてもらう。難しい課題に直面しても責任を一人に背負わせず、必ず上司が守る社風を作る事。
高くない階段を一段一段登っていく様に、管理職の仕事を一つ一つ覚えて行けるシステムを作る事が女性管理職を増やす上では必要だと考えます。